ワキガとは何のこと?|ワキガの症状、原因、治療法をかんたんに説明
今の社会では、「スメルハラスメント」という言葉もあるように、人と接する際に、自身のニオイに配慮することは、マナーのひとつとなっています。
そのような常識が根づいている現代において、脇から強いニオイが発生してしまう「ワキガ」は、非常に悩ましい病気であるといえます。
「ワキガがどういう症状か詳しく知らない」
「ワキガ持ちで困っている」
「自分がワキガかどうか知りたい」
このような人たちの疑問を解決するために、ここでは、そもそも「ワキガ」はどういうメカニズムで発生するのか、主な原因や対処法は何があるのか、その他、「ワキガ」についてのさまざまな見識を分かりやすく説明していきます。
・「体臭が強い」=「ワキガ」ではない
「ワキガ」は決して珍しい症状ではないため、多くの人がその名前を耳にしたことがあると思います。
しかし、「体臭が強い」=「ワキガ」と、間違った解釈をしているケースもあり、「ワキガ」についての基本的な知識を理解する必要があります。
では、さっそく、「ワキガ」の説明に入ります。
・「ワキガ」ってなに??
「ワキガ」という名称は、腋(ワキ)の下(ガ)で発生するニオイであることに由来し、医学的には腋臭症(えきしゅうしょう)や「アポクリン臭汗症」と呼ばれています。
「ワキガ」は基本的には、わきから汗が出ることによって、強いニオイが出てしまう状態のことをいうので、仮に「ワキガ」をそのままにしても、体調を壊したり、悪化したりすることはありません。
上の画像を見てもらうと分かりますように、私たちの体には、汗を分泌する組織である「汗腺」があります。
この汗腺には、「エリクセン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2つの種類があり、このうち、「アポクリン汗腺」から分泌される汗が「ワキガ」の主な原因になります。
ですから、「ワキガ」は全員に発生するものではなく、「アポクリン汗腺」の数が多い人に発生する傾向があります。
これより詳しく「ワキガ」について知りたい方は、 ワキガの意味とは?|「ワキガ」と「ワキ臭」は全く別物だった をご覧ください。
・日本(アジア)と海外の「ワキガ」事情
それぞれの人種での「ワキガ」事情はどうなっているのでしょうか。
日本人の場合、軽度な「ワキガ」を含めると、全体人口のおよそ10~15%の人に発生します。少ない時期を考慮すると、だいたい10人に1人の割合で発症します。
それに比べて黒人では100%、欧米人では70~90%、中国人では3~5%という割合になっています。
この結果からわかることは、人種によって「ワキガ」の発生率が極端に違うということです。なぜ、こんなにも人種によって、「ワキガ」の発生率が異なってしまうのか。それを突き止める原因としては、「食生活の違い」であるのではないかと考えられます。
古くから肉食を中心とする黒人・欧米人は、アポクリン腺が活発に働く傾向にありますが、野菜や魚を多く食べる日本人や中国人など、黄色人種は、退化傾向が強く、アポクリン腺が働きにくい仕組みになっているといわれています。
このように、「ワキガ」の原因のひとつには、「食生活」もあげることができます。
・「ワキガ」のニオイについて
「ワキガ」には独特のニオイがあり、よく、「スパイスのように鼻にツンとくるニオイ」や「硫黄のようなニオイ」などと例えられます。
また、隋の時代に書かれた医学書によると、キツネやタヌキのようなニオイであるという記述も確認されています。
とにかく、「ワキガ」のニオイは、人が不快に感じてしまうようなニオイであることは間違いないでしょう。
もっと「ワキガ」のニオイについて知りたいという方は、 気になる「ワキガ」のワキ臭(腋臭)は7つのタイプに分類できる を見てください。
・ワキガの症状
「ワキガ」の症状としては、
「わき汗が人よりたくさん出てしまう」
「わき汗からすっぱいニオイや濡れ雑巾(ぞうきん)のようなニオイが出る」
このような症状がありますが、人によって症状にバラツキがあるため、一概に、「これがワキガだ」と言い切ることはできません。
ですから、ワキガかどうか判断する場合は、「自分がニオイを気にする」のであればワキガであり、「ニオイは気にならない」のであれば、ワキガでないといった感じで判断するといいでしょう。
・ワキガの原因
「ワキガ」の原因は、先ほど言いましたように、ワキにある汗腺の、「アポクリン汗腺」から分泌される汗が原因となりますが、「アポクリン腺」の分泌物自体は無臭になります。
その汗が皮膚上で、「皮脂腺」から分泌された脂肪分や、「エクリン腺」から分泌された汗と混ざることによって、「ワキガ特有のニオイ」を発生させる物質が生成されます。
また、「アポクリン汗腺」は、乳首、陰部などのデリケートゾーンにも見られ、毛の量が多い人ほど「ワキガ」になってしまう確率が高いとされます。
「アポクリン汗腺」の数は毛の量と密接に関わっており、重症の「ワキガ」の人は、毛の量が多い人がほとんどなのです。
・ワキガは女性にも多かった
ワキガになる人は、なんとなく、男性が多いイメージがありますが、決してそうではなく、実は、女性にもワキガで悩む人は多くいます。
ワキガというものは、遺伝的に決まってしまうようなものなので、女性も男性も同じような確率で、ワキガになる可能性があるからです。
ですから、自分がワキガかどうかをしっかりと見分ける必要があります。
また、女性の場合、月経や妊娠、出産などの際に、一時的ではありますが、「ワキガ」のニオイが強くなることがあります。
このような、男性にはない女性独特の体の変化は、女性ホルモンバランスの変化によって起こりますが、「アポクリン汗腺」も、その影響を受けてしまいます。
なお、女性ホルモンの分泌量が減少する、更年期以降になってくると、「ワキガ」を持っている人であっても、ニオイが気にならなくなってくるので、うれしいことでしょう。
・「ワキガ」の判断基準はない??
自分が病気かどうかを知るためには、決まったチェック項目にいくつか当てはまるかどうかが条件となってくると思いますが、「ワキガ」の診断には、正確なチェック項目(基準)はありません。
「ニオイ」という曖昧(あいまい)な判断材料だけでは、なかなか「あなたはワキガです」と言い切ることはできないからです。
ですから、実際に「ワキガ」であった人が持っていた特徴を4つ示しますので、それを見て、自分が「ワキガ」であるかを判断してもらいたいと思います。
・4つの項目でわかる「ワキガ」の特徴とは?
そんな、「ワキガ」であった人が持っていた4つの特徴を紹介します。
その、4つの特徴とは、
1 脇から独特の臭いがする
2 汗で衣服に黄色いシミができる
3 耳垢(みみあか)が湿っている
4 脇毛に白い粉がつく
この4つの項目にいくつか当てはまるようであれば、あなたは「ワキガ」である確率が高いと言えるでしょう。
ワキガは、ツーンとした強烈なニオイを発します。それは、汗をかいたときのような、「もわっ」としたニオイとは異なります。
ワキガはワキガは特有のニオイをしているので、もし本人が気づいていないのであれば、家族や仲のいい友人に聞いてみるのもいいかもしれません。
・「ワキガ」は遺伝するのか?
「ワキガ」は子供に遺伝すると思いますか?
残念ながら、両親のうち、片方でも「ワキガ」を持っている場合、子供に「ワキガ」が遺伝してしまいます。
片方だけが「ワキガ」持ちである場合は、子供は低い確率で遺伝します(遺伝しない子供もいる)が、両方の親が「ワキガ」持ちである場合は、かなり高い確率で遺伝してしまうことがわかっています。
なお、両親が「ワキガ」持ちで無い場合も、子供が「ワキガ」を発生させてしまう場合もあり、そのことも含めて、「ワキガ」の遺伝に関することは、「ワキガ」は遺伝するの?|遺伝する確率や、その後の対処法を解説 をご覧ください。
・ワキガの予防法
ワキガは遺伝的な要因もあるので、予防だけでは完全にニオイを抑えきれないケースもありますが、以下の4つの方法で、ニオイの程度を抑えることはできます。
その方法とは、
・食生活の改善
・飲酒や喫煙を抑える
・ストレスをためない
・運動する習慣をつける
このようなものです。
みなさんの健康を整える上で、上記の4つのことは当たり前のようにしないといけないと思いますが、このあたりまえのことをすることで、「ワキガ」予防にもなるのです。
・ワキガの対処法
「ワキガ」といっても、症状の程度はさまざまです。ですから、軽度のものである場合、以下の対処法を実践することで、かなりのニオイを抑えることができます。
・こまめにワキ汗を拭く
・脇毛を処理する
・制汗剤や殺菌剤を使用する
もし、この3つの対処法を試しても、ニオイが気になってしまう場合は、皮膚科や形成外科を受診するとよいでしょう。
また、詳しい「ワキガ」の対処方法を知りたい場合は、少しの努力で改善できる、「ワキガ」の4つの対策方法 をご覧ください。
・ワキガの治療法
「ワキガ」自体は、本人がそこまで気にしていないのであれば、治療の対象になりません。しかし、症状がひどい場合には、いくつかの治療法があります。
その治療法とは、
1 制汗剤や外用薬(塗り薬)の使用
2 内服薬
3 手術治療
などがあります。
治療方針としては、ニオイの程度に応じて決定します。たとえば、ニオイの程度が軽い場合は、1の制汗剤や外服薬(塗り薬)を使用します。
制汗剤につきましては、以下のURLを、外服薬の塗り薬の場合は、 「ワキガ」対策にオススメな3つの「ワキガクリーム」をご紹介 をご覧ください。
ニオイの程度が少し重い場合は、2の抗不安剤などの内服薬、ボトックス(ボツリヌス菌)の局所注射、交感神経遮断術などをします。
それでも対処しきれないワキガに対しては、3の手術治療をすることになります。手術療法としては、皮膚切除術、皮弁法、小切開法といった方法があります。
以上、「ワキガ」についての簡単な説明でした。
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